ISBN:4063462285 コミック 新井 英樹 講談社 2003/12/09 ¥540

安易にこういう言葉を使っちゃうのはよくないし、その作家さんに失礼だと思うんだけど、それでも書いちゃうと新井英樹は天才肌の作家だよね。ファンの間で評判の高いザワールドイズマインは読めてないのだけどシュガー読むだけでこの人がいかにすげー人なのかはよくわかる。

主人公の石川凛は新井でないと描けない天才ボクサーだろう。森川ジョージとかその他もろもろの泥臭いボクシング漫画を描く人たちには到底描けない「天才」の描写が新井英樹という漫画家には出来てしまう。
凛の天才っぷりは新井自身の漫画家としての才能をダイレクトに表象しており、そういうのは結局、この人自身が天才だから描けることであって、新井氏が天才じゃないならシュガーという漫画は天才というキャッチフレーズのついた似非天才漫画で終わるだろう。この漫画は天才の描く天才漫画であって、凡人が天才に憧れて描く天才の漫画じゃあない。そんな感じだ。

ボクシング描写そのものも一歩よりずっと巧い。特に「スピードスター」を描写することにかけては漫画業界でも群を抜いているだろう。無駄な線は一切なく、ただ必要最低限の残像と静止部分だけで圧倒的に説得力のある構図でボクシングが展開される。圧巻させられる。まあとにかくボクシングファンなら一度読んだらはまると思う。
凛とフロイドメイウェザーとどっちが速いだろう?w

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索